【2027年度】JASSOの給付型・貸与型奨学金の違い

大学進学に必要なお金を準備するとき、多くの高校生や保護者が検討するのが、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金です。

JASSOの奨学金には、返還不要の「給付奨学金」と、卒業後に返還する「貸与奨学金」があります。さらに貸与奨学金は、無利子の第一種と有利子の第二種に分かれています。

「給付型と第一種は何が違うの?」「第二種は毎月いくら借りられる?」「給付型と貸与型は両方使える?」など、疑問を持つ人も多いでしょう。

この記事では、2027年度(令和9年度)に大学へ進学する人を対象に、JASSOの3種類の奨学金について、金額・申込条件・返還・併用の違いを詳しく解説します。

JASSOの奨学金は大きく3種類

まずは、3種類の奨学金の違いを確認しましょう。

種類 返還 利子 特徴
給付奨学金 原則不要 なし 家計・学業などの条件に応じて支給
第一種奨学金 必要 なし 無利子で借りられる
第二種奨学金 必要 あり 月額を幅広く選べる
最初に覚えたいこと
給付奨学金は原則返還不要、第一種は無利子、第二種は有利子です。
自分に合った奨学金を考えるときは、まずこの違いを理解しましょう。

給付奨学金|返還不要の奨学金

JASSOの給付奨学金は、経済的な理由で進学が難しい学生などを支援する制度です。

一定の条件を満たせば、毎月奨学金を受け取ることができます。通常の貸与奨学金とは異なり、原則として卒業後の返還は必要ありません。

給付奨学金の金額は何で決まる?

給付奨学金の支給月額は、主に次の条件によって異なります。

  • 世帯の所得・資産状況
  • 国公立大学か私立大学か
  • 自宅通学か自宅外通学か
  • 多子世帯などの支援区分

支援区分によって支給額が変わり、条件によっては給付奨学金の支給月額が0円となる場合もあります。

具体的な金額は、JASSO公式サイト「給付奨学金の支給額」で確認できます。

学力基準は評定平均3.5以上?

2027年度進学予定者向けの予約採用では、給付奨学金の学力基準として、主に次のいずれかに該当する必要があります。

  • 高校等での第1学年から申込時までの評定平均値が5段階評価で3.5以上
  • 将来の目標や、進学先での学修意欲が文書・面談などによって確認できる
評定平均が3.5未満でも可能性がある
評定平均3.5未満という理由だけで、給付奨学金を諦める必要はありません。
学修意欲の確認によって基準を満たす場合があります。ただし、家計基準なども満たす必要があります。

家計基準の確認も必要

給付奨学金では、本人や生計維持者(原則として父母)の所得状況・資産などに基づいて審査が行われます。

2027年度進学予定者の予約採用では、原則として2025年の所得に基づく2026年度の住民税情報などが使用されます。

世帯年収の目安だけで判断するのではなく、JASSOの進学資金シミュレーターや公式の家計基準を確認しましょう。

授業料・入学金の減免制度も確認しよう

JASSOの給付奨学金と関係が深いのが、国の「高等教育の修学支援新制度」です。

一定の条件を満たす学生は、給付奨学金に加えて、授業料や入学金の減免を受けられる場合があります。

多子世帯は所得制限なく授業料等減免の対象に

2025年度から、扶養する子どもが3人以上の多子世帯について、所得制限なく、国が定める上限額まで授業料・入学金を減免する制度が始まりました。

ただし、多子世帯であれば必ず大学の学費が全額無料になるわけではありません。

多子世帯支援の注意点
多子世帯の判定には扶養状況などの条件があります。授業料等減免には国が定める上限額があり、給付奨学金自体は所得などにより0円となる場合があります。対象校であることや学業要件なども必要です。

兄弟姉妹が3人以上いる家庭では、給付奨学金の対象にならないと思っていても、授業料等減免の対象になる可能性があります。

詳しくは、文部科学省「高等教育の修学支援新制度」を確認してください。

第一種奨学金|無利子で借りられる

第一種奨学金は、卒業後に返還する必要がある貸与型奨学金です。

大きな特徴は、利子が付かないことです。

第二種奨学金よりも学力や家計などの条件が厳しく設定されていますが、返還時に利息が加わらないメリットがあります。

第一種奨学金はいくら借りられる?

大学の第一種奨学金は、国公立・私立、自宅・自宅外通学によって選択可能な月額が異なります。

大学 自宅通学 自宅外通学
国公立 2万・3万・4.5万円 2万・3万・4万・5.1万円
私立 2万・3万・4万・5.4万円 2万・3万・4万・5万・6.4万円

※2026年10月時点でJASSOが公表している平成30年度以降入学者向けの大学学部の貸与月額です。家計条件や給付奨学金との併用などによって、選択できる金額が制限される場合があります。

第一種奨学金の返還額の例

例えば、月額3万円を4年間借りる場合を考えてみましょう。

貸与総額の例
30,000円 × 12か月 × 4年間 = 144万円
第一種奨学金は無利子なので、通常の返還では元金144万円を返還します。

ただし、返還が遅れた場合は延滞金が発生することがあります。

第二種奨学金|利子が付く貸与型

第二種奨学金は、有利子で借りる貸与型奨学金です。

第一種奨学金とは学力・家計基準や貸与月額の設定が異なり、大学学部では幅広い金額から選択できます。

第二種奨学金はいくら借りられる?

大学学部の第二種奨学金では、月額2万円から12万円まで、1万円単位で選ぶことができます。

私立大学の医・歯・薬・獣医学課程などでは、所定の条件により増額できる場合があります。

毎月の貸与額 4年間の貸与総額
2万円 96万円
3万円 144万円
5万円 240万円
8万円 384万円
10万円 480万円
12万円 576万円

※すべて48か月間借りた場合の元金のみの計算です。第二種奨学金では、原則として別途利息が加わります。

借りすぎには注意
月額10万円を4年間借りると、元金だけで480万円になります。
必要な金額を計算し、卒業後の返還も考えて貸与月額を選びましょう。

第二種奨学金の利率はいつ決まる?

第二種奨学金の利率は、申込時ではなく貸与終了時に決まります。

利率の算定方法は、次の2種類から選択します。

方式 特徴
利率固定方式 貸与終了時に決まった利率が返還完了まで原則変わらない
利率見直し方式 おおむね5年ごとに市場金利に応じて見直される

基本月額に適用される利率には、年3.0%の上限が設けられています。ただし、入学時特別増額貸与などの増額部分は別の取扱いになります。

利率見直し方式が必ず得になるわけでも、固定方式が必ず得になるわけでもありません。

将来の市場金利によって返還額が変わる可能性があるため、それぞれの仕組みを理解することが重要です。

給付型と第一種・第二種は併用できる?

JASSOでは、条件を満たせば複数の奨学金を組み合わせて利用することができます。

ただし、組み合わせによっては貸与月額が調整されます。

給付奨学金と第一種の併用

給付奨学金と第一種奨学金を併用する場合、第一種の貸与月額が減額されたり、0円になったりすることがあります。

これは「併給調整」と呼ばれる仕組みです。

多子世帯支援や一部の授業料等減免の対象者についても、併給調整が適用される場合があります。

給付奨学金と第二種の併用

給付奨学金と第二種奨学金も、条件を満たせば併用できます。

第二種奨学金は、給付奨学金の受給を理由とした貸与月額の調整はありません。

ただし、有利子の奨学金を追加で借りることになるため、返還計画を十分に考える必要があります。

第一種と第二種の併用貸与

第一種と第二種の両方を借りる併用貸与もあります。

ただし、それぞれを単独で借りる場合とは異なる家計基準があるため、希望すれば必ず利用できるわけではありません。

併用時に確認したいこと
併用の申込条件、実際の振込額、第一種の併給調整、卒業後の返還元金と利息を確認しましょう。

JASSO奨学金はいつ申し込む?

JASSOの奨学金には、主に進学前に申し込む「予約採用」と、進学後に申し込む「在学採用」があります。

予約採用|高校在学中などに申し込む

大学進学前に奨学金の採用候補者となるための制度です。

高校に在籍している人は、原則として在籍する高校等を通じて申し込みます。

募集日程や提出書類の校内締切は学校によって異なるため、学校の奨学金担当者に確認しましょう。

在学採用|大学進学後に申し込む

大学等への入学後に、進学先の学校を通じて申し込む方法です。

高校で予約採用に申し込まなかった場合や、予約採用で不採用になった場合でも、在学採用で申し込める可能性があります。

奨学金の初回振込みに注意
予約採用で採用候補者になっても、入学後の所定の手続きが必要です。
奨学金は原則として進学後に振り込まれるため、入学金や引っ越し費用など、進学前に必要なお金は別に準備する必要があります。

自分に合ったJASSO奨学金の選び方

JASSOの奨学金を検討するときは、次の順番で確認すると整理しやすくなります。

  1. 給付奨学金の対象になるか確認する:家計・学力・資産などの条件を調べる。
  2. 授業料・入学金の減免を確認する:多子世帯支援などの対象か調べる。
  3. 不足する進学費用を計算する:家族からの支援や生活費の見込みも含めて考える。
  4. 第一種奨学金を検討する:無利子で必要な金額を借りられるか確認する。
  5. 必要に応じて第二種奨学金を検討する:利息を含めた返還額を確認する。

奨学金は、借りられる上限まで借りることが目的ではありません。

奨学金選びで大切な考え方
給付型・授業料減免を先に確認し、貸与型は必要な金額と返還計画を考えて選ぶことが基本です。

よくある質問

Q. 評定平均3.5未満でも給付奨学金に申し込めますか?

2027年度進学予定者向けの予約採用では、学修意欲が所定の方法で確認されれば、評定平均3.5未満でも学力基準を満たす場合があります。ただし、家計基準などの確認も必要です。

Q. 第一種奨学金は必ず無利子ですか?

第一種奨学金は無利子です。ただし、返還が遅れた場合には延滞金が発生することがあります。

Q. 第二種奨学金の利率は申込時に決まりますか?

いいえ。原則として貸与終了時に決まります。申込時には利率固定方式か利率見直し方式を選択します。

Q. 給付奨学金と第一種奨学金を両方利用できますか?

条件を満たせば併用できますが、第一種奨学金の貸与月額が調整されることがあります。

Q. 奨学金に申し込めば必ず採用されますか?

いいえ。家計や学力などの基準があるため、審査結果によっては採用されない場合があります。

まとめ|給付型・第一種・第二種の違いを理解しよう

JASSOの奨学金には、給付奨学金・第一種奨学金・第二種奨学金があります。

  • 給付奨学金:原則返還不要。家計や学業などの条件がある。
  • 第一種奨学金:無利子で借りられる。卒業後の返還が必要。
  • 第二種奨学金:有利子で借りられる。幅広い貸与月額から選べる。

また、給付奨学金だけでなく、授業料・入学金の減免制度や多子世帯への支援も重要です。

まずは自分が利用できる制度を確認し、必要な支援額と卒業後の負担を考えながら選びましょう。

参考情報・公式サイト

※この記事は2026年10月時点の制度概要をもとに、2027年度進学予定者向けに作成しています。具体的な採用条件・貸与月額・申込日程などについては、必ず最新の募集案内を確認してください。